11日39番延光寺をスタートしたのは学生19人と教職員7人。最初の難関・松尾峠を越え、菩提の道場(愛媛)入り。2日目は旧内海村の柏坂。この日は遍路道の復元、整備に関わった寿川忠夫さんが同行。頂上付近のつわな奥展望台で、寿川さんの母親手作りのお饅頭をいただいた。3日目、昨日につづいての雨。足をとられながらも歯長峠を越えて明石寺へ、そして西予市泊まり。4日目は、雨も上がり、鳥坂峠を越え札掛大師堂・十夜ヶ橋を経て内子町。
最終日、明るいうちに結願したいと6時前に出発。下坂場峠を越え、最後の難所・鴇田(ひわた)峠。残る力を振り絞って坂を越える仲間に、渡辺弘樹君は大きな声で歌い励ましました。5時前、木立に囲まれた山の寺は早薄暗い。大寶寺本堂前で学生が寺の縁起などを紹介して無事結願、互いの健闘を喜びあった。
伊藤なほこさん(1年)は「最初はしんどかったが、3日目雨の歯長峠を越えた辺りから自信が出てきた。その後は楽しかった。歩けてよかった―と思うが、皆と一緒だったから。道中のお接待に力づけられた。本当に嬉しかった」。社会人入学の藤野啓之さん(40歳)は「思ったよりきつかったが、日常生活では体験できないこと。お接待は嬉しかったし、古い遍路道を整備してくださる人に感謝」。昨年につづいての平野貴子さん(2年)も「昨年楽しかったので、今年も参加させてもらった。昨年は海、今年は山。また来たい」。
歩き遍路体験実習は「自立心・忍耐力・連帯感を身につけ、自然との共生、地域文化に関心を持つ人づくり」を目指して星島一夫前学長(故人)の発案で実現した科目。体験後のレポートを見るかぎり、星島前学長の目論見は伝わっているようだ。教室では学べない貴重な体験が、学生たちを大きく優しく育てるものと期待している。
「明徳短大生 5日間の遍路旅」『月刊へんろ』2006年10月1日、第271号、1頁掲載