
愛媛県留学生等交流推進会議主催の「留学生日本語スピーチコンテストin愛媛2007」が2007年11月4日(日)に開催され、ラジオで生放送されました。 本学からは、王可成くん、朱騰騰さん、呙帥くん(いずれも生活総合専攻2年)と張莉さん(食物栄養専攻1年)の4名が参加し、流暢な日本語で熱弁をふるいました。 4人ともレベルの高いスピーチでしたが、本学からは、王可成くんが特別賞に選ばれました。
皆さん、こんにちは。中国の西安市から来た留学生、王可成です。今日は、皆さんに紹介したいものが3つあります。1つめは西安にある秦の始皇帝の兵馬俑です。2つめは、偽物の卵の話です。最後の3つめは、「鳥の巣」と呼ばれる2008年北京オリンピックのメイン会場の話です。
なぜ、こんな3つのものを一緒に言いたいのかと不思議に思われたのではないでしょうか?これは今年の夏のある晩に見たテレビ番組に、その発端があります。番組の中で報道していたのは、中国で見つかった偽卵のVTRでした。そのVTRには偽卵の黄身の作り方から白身の作り方まで完全な手順が収録されていました。私も初耳でしたし、非常に驚きました。その翌日、日本人の友達が私にこう言いました。「王君、今、中国人が中国で食べている卵は偽物なのかな?味はどうなの?」私は何も言い出せません。ただ、自分の顔が熱くなってきたのがわかるほど、すごく恥ずかしかったのを今でも覚えています。
確かに今の中国には、このような偽物がたくさんあります。例えば、牛肉製品と書かれた缶詰を買って家に帰って食べたら、鶏ガラが入っていたこともあります。ほかにもあります。友達が虫歯で歯医者の所へ行って入れ歯を作りました。1週間が経って、突然、その入れ歯が折れました。その入れ歯を鑑定してもらったら、偽入れ歯でした。怖いですね。もし、眠っているときに折れて、それが喉に詰まったら、殺人事件になるのでしょうか?
このような事件は、数年前の中国にはたくさんありました。そのためか、「中国人は偽者ばかり作る。」「中国人は品質が良い物を作ることができない。」そんな評価ばかり聞こえます。しかし、私はこれらの意見には納得できません。確かに中国では経済が発展する間にいろいろな問題が起こりました。ずるい商人が利益のために、消費者に損害を与えていました。でも私には、中国製品を全て否定することはできないんです。
実は、中国人は昔から製品の品質を重んじます。最初に言った兵馬俑がその良い例です。2200年前、秦の始皇帝は中国を統一した後、何十万人もの人間を使って自分のお墓を作り始めました。兵馬俑は、始皇帝が自分のお墓を守るために作らせたもので、秦の軍隊を、そのまま全て泥でコピーしたと言われています。兵士・戦車・馬・武器の大きさは全て本物と同じです。剣は今でも昔と変わらない鋭さを保っています。発見された6千体の兵士は表情が同じものはありません。しかも、発掘したときは、顔に鮮やかな色彩も付けられていました。これらは全て「メイド・イン・チャイナ」つまり中国製です。中国製品の品質は、シルクロードに象徴されるように、ずっと世界中の人々に認められており、漢の時代から近代まで様々な製品が世界各地に輸出されてきました。
現代の話に戻りましょう。夏休みに、私が中国に帰国していたとき、北京オリンピックで使われる製品についてのスペシャル番組が放送されていました。スポーツ用品から電車の車輌、電気製品など、様々な製品が国際オリンピック委員会の厳しい審査に合格しなければなりません。合格した製品は「中国製」が大部分を占めます。私が一番注目したのは「鳥の巣」と呼ばれるオリンピックのメイン会場でした。デザイナーは外国の有名な建築者ですが、それ以外は、材料から建築作業まで、全て中国の企業が完成させます。鳥の巣の形を作るためには、数十万トンの高品質の鋼材が必要ですが、この要求にも中国製で応えることができました。
いろいろなことから考えてみると、最近の中国企業の経営者は、ますます製品の品質を重んじています。この原因は、まず、中国人民の生活水準が向上していることです。人々が「安ければ安いほどよく売れる」という習慣から、「高くても品質が良いものを買う」ように変わってきました。次の原因は、中国がWTOに加入したことにより、国際競争がますます激しくなっていることです。最後の原因は、中国政府が「誠実・信用の社会を作る」という活動を全国に呼びかけていることです。しかし、そうは言っても、中国は広くて人口も多く、田舎の人々の生活水準もまだまだ低い状態です。このため、偽物や、品質の悪い商品がまた時々現れるでしょう。根本的に解決するためには時間が必要だと思います。
現在の中国は「世界の工場」と呼ばれています。中国で生産した製品は世界各地の人々に使用され、「中国製」の優劣が世界中の人々に注目されています。皆さん、これから、もっと「中国製」に注目してください。「中国製」を信じてください。北京オリンピックの「鳥の巣」会場で、新しく生まれる中国を見てください。
御静聴、ありがとうございました。