2022年度(令和4年度)講義概要―シラバス―

保育臨床相談 (EEK408)

寺川夫央

卒業/修了要件 授業形態 単位数 配当年次 開講期間
選択必修科目 講義 2単位 2年 後期

学位授与の方針との関連

2 専門的知識・技能、主体性、協働性
3 思考力、判断力、表現力、保育実践力

授業科目の目的・テーマ

1 子ども理解についての知識を身に付け、考え方や基礎的態度を理解する。
2 幼児理解の方法を具体的に理解する。
3 保育にかかわるカウンセリングの理論について学ぶ。
4 カウンセリングの方法、保育臨床における教育相談(保育臨床相談)について学ぶ。

授業修了時の到達目標

1.子ども理解および保育臨床相談の意義を理解している。
2.子ども理解から発達や学びを把える原理を理解している。
3.子ども理解を深める、また、保育臨床相談における教師・保育者の基本的な態度を理解している。
4.子ども理解のための方法である観察の記録の意義や目的に応じた観察法等の基礎的な事柄を例示することができる。
5.個と集団の案系をとらえる意義や方法を理解している。
6 子どものつまずきを回りの幼児との関係やその他の背景から理解している。
7 保護者の心情と基礎的な対応の方法を理解している。
8.保育にかかわるカウンセリングマインドの意味するところがわかり、姿勢・態度として示すことができる。
9.保育臨床における事例を子どもや保護者の視点で考えることができる。
10.現代社会における子育て課題への対応について保育実践に関連づけて考察することができる。
11.グループワーク等に主体的に取り組み、協働しながらより良い学びにつなげることができる。

授業内容の全体計画

第1回 オリエンテーション 保育臨床相談の学び方 「現代社会と子どもの育ち」を考える
第2回 「保育の出発点としての子ども理解」「保育という場における子ども」について学ぶ
第3回 「子ども理解の方法」「保育というフィールドにおける子ども理解の方法」について学ぶ
第4回 「記録の実際」「当事者記録の意味」「個と全体をとらえる視点」について具体的に考える
第5回 「カウンセリングマインドとは」「カウンセリングマインドの実際」を理解する
第6回 「カウンセリングマインドのさまざま」「カウンセリングの具体的な手法」について理解する 
第7回 「臨床の知とは」「保育臨床への発想」について考察する
第8回 保育実践の中のカウンセリング1 事例1「子どもへの対応」について、具体的にグループで検討する
第9回 保育実践の中のカウンセリング2 事例2「保護者への対応」について、具体的にグループで検討する
第10回 保育実践の中のカウンセリング3 事例3「不適応と受容をめぐって」について、具体的にグループで検討する  
第11回 「理解者としての保育者」「遊びの援助者としての保育者」について保育実践と関連づけながら考察する
第12回 「心の拠り所としての保育者」「保育者としての育ち」について、自他の意見をふまえて考察する
第13回 「子どものSOSを読み取る」「関係の歪みと回復の過程」について、保育者としての基本的な姿勢・態度をふまえて考察する
第14回 「現代社会の中で変わる親、子、保育者の関係」「子育ての歪みを受け止める」について、保育実践と関連づけながら考察する
第15回 「子ども理解と統合保育」「外国人の子どもの理解と保育」について、多様な保育の課題を具体的に考える
 定期試験

授業時間外の学習(予習・復習等)

事前学修 毎回、事前学習のためにテキストの該当箇所を指示するので、事例等について事前に考え、ワークシートにまとめる(各回1.5時間)。
事後学修 テキスト、配布資料等をもとに授業内容を振り返り、理解を深め、保育実践で活かせるよう考察を文章でまとめる(各回1.5時間)。
授業テーマに沿った新聞・保育雑誌・ネット記事・文献等を検索し、要約をまとめる(各回1時間)。

単位認定に関わる評価方法

定期試験 50%
提出物(ワークシート等) 30%
授業への取り組み姿勢・グループワーク等への参加度(講義時の質疑応答 グループワークでの貢献度) 20%

受講生に望むこと

授業では、視聴覚教材や事例の読み取り、実習の振り返り等を通して学生が考え、討議し、発表することを大切にしながら授業をすすめます。学生の皆さんが主体的に参加できるようにグループワーク等を取り入れますので自分が考えたこと、学んだことを言葉にし、相手に伝えるとともに他者の意見を聞くスキルを高めること、さらに、話し合いの要点を整理することを心がけて参加してください。
なお、グループワークなどで知りえた他者の情報の取り扱いには十分に留意しましょう。

フィードバックの方法

授業時には、全体討議の中で学生の発言に対し、必要に応じてにコメントし、解説する。
提出物および定期試験は成績手交日に各自に採点結果のコピーを返却し、コメントする。

アクティブラーニング

毎回、各回のテーマに沿ったグループワーク、ロールプレイ等を実施し、全体討議を行う。2年次の科目であり、より全体討議と意見交換を重視して行う。 

テキスト

『子ども理解とカウンセリングマインド 保育臨床の視点から』 青木久子・間藤侑・河邉貴子 著 萌文書林

参考文献

『保育臨床相談』 小田豊・菅野信夫・中橋美穂 著 北大路書房
『幼稚園教育要領解説』 文部科学省 編 フレーベル館
『幼保連携型認定こども園教育・保育要領解説』 内閣府・文部科学省・厚生労働省 フレーベル館
『保育所保育指針解説』 厚生労働省 フレーベル館
『ピアヘルパーハンドブック』 日本教育カウンセラー協会(編) 図書文化社
『ピアヘルパーワークブック』 日本教育カウンセラー協会(編) 図書文化社

実務経験の有無

臨床心理士、公認心理師、カウンセラーとして活動した実務経験を活かして、カウンセリングマインドの意味やそれを活かした保育者の姿勢・態度を解説する。

備考

本科目は教職に関する科目のうち生徒指導、教育相談及び進路指導等に関する科目、また、保育士養成における保育の対象理解に関する科目である。ピアヘルパー資格を取得するための要件単位でもある。

オフィスアワー

火・15:00~16:30

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