2022年度(令和4年度)講義概要―シラバス―

子ども家庭支援の心理学 (科目記号:EEK111)

寺川夫央

卒業/修了要件 授業形態 単位数 配当年次 開講期間
必修科目 講義 2単位 1年 前期

学位授与の方針との関連

2 専門的知識・技能、主体性、協働性
3 思考力、判断力、表現力、保育実践力

授業科目の目的・テーマ

1 生涯発達に関する心理学の基礎的な知識を修得し、初期経験の重要性、発達課題等について理解する。
2 家族・家庭の意義や機能を理解するとともに、親子関係や家族関係等について発達的な観点から理解し、子どもとその過程を包括的に捉える視点を修得する。
3 子育て家庭をめぐる現代の社会的状況と課題について理解する。
4 子どもの精神保健とその課題について理解する。

授業修了時の到達目標

1 生涯発達に関する心理学のキーワードを適切な言葉で説明できる。
2 初期経験の重要性、発達課題等について理論をもとに説明できる。
3 家族・家庭の意義や機能を列挙できる。
4 親子関係や家族関係等について発達的な観点および子どもとその家庭を包括的に捉える視点をもとに考察できる。
5 子育て家庭をめぐる現代の社会的状況と課題について、適切なデータを読み取り、それを踏まえて説明できる。
6 子どもの精神保健とその課題について具体的な事例から理解することができる。
7 心理学的視点が日常生活および教育現場の中にあることに気づき、それを言語や文章等で表現することができる。
8 グループワーク等を通して他者と協調しつつ学ぶことができる。

授業内容の全体計画

第1回:「生涯発達とは何か(1)」 生涯発達の考え方 ライフサイクルとライフコース エリクソンの発達理論 
第2回:「生涯発達とは何か(2)」 生涯発達から見た心の問題と家族 保育者のライフコース
第3回:「乳児期の発達」 乳児期の発達の特徴と課題 初期経験の重要性
第4回:「幼児期の発達」 幼児期の発達の特徴と課題
第5回:「学童期の発達」 学童期の発達の特徴と課題
第6回:「思春期・青年期の発達」青年期の発達と課題
第7回:「成人期・老年期の発達」 成人期・老年期の発達の特徴と課題
第8回:「子育てを取り巻く社会的状況」 社会と家族の変化 現代の子育ての難しさ 保育における子育て支援
第9回:「家族・家庭の意義と機能、親子・家族関係の理解」 家庭・家族とは 家族関係の理解と援助 親子の関係性の理解と援助
第10回:「子育ての経験と親としての育ち―ライフ・コースと仕事・子育て」 親になるということ ライフコースと子育て 子どもを育てるということ
第11回:「多様な家庭形態とその理解」 現代の多様な家庭 多様な家庭の援助につながるアセスメント
第12回:「特別な配慮を必要とする家庭」特別な配慮を必要とする家庭 予期せぬ出来事に遭遇した家庭 配慮・支援にあたってのポイント
第13回:「発達支援の必要な子どものいる家庭」 発達支援を必要とする家族の実態 発達の遅れや障害のある子どもをもつ家庭への支援
第14回:「子どもの精神保健(1)」 子どもの生活・生育環境とその影響 子どもの心の健康に関わる症状
第15回:「子どもの精神保健(2)」子どもの成長と回復力を支えるために
定期試験

授業時間外の学習(予習・復習等)

事前学修 事前学習のための資料(プリント)、テキストの演習課題を中心に授業に臨む前にテキストの該当箇所を参照して学習する(各回2時間)。
     次回のグループワークのテーマについての個人ワークとして、自分の意見を文章でまとめる(各回0.5時間)
事後学修 授業時に行った小テストの見直しと再学習(各回0.5時間)。授業時の講義およびグループワーク、テキスト、配布資料等をもとにキーワード等を整理し、理解を深め、得た知識を活用できるよう文章でまとめる(各回1時間)。

単位認定に関わる評価方法

筆記試験 70%(定期試験50% 授業内小テスト20%)
提出物(時間外学習の資料を定期試験後に提出) 10%
講義・グループワーク等への参加度(講義内での質疑応答、グループおよび全体討議での発言内容等) 20%

受講生に望むこと

これまでに培った知識、経験をもとに用語や概念の理解を進めてほしいと思います。授業では、学生の皆さんが主体的に参加できるようにペアワーク、グループワークを取り入れますので自分が学んだこと、考えたことを言葉にし、相手に伝えるコミュニケーションスキルを高めてください。なお、グループワークなどで知りえた他者の情報の取り扱いには十分に留意しましょう。

フィードバックの方法

小テストは、直後に解答し、解説する。
定期試験は成績手交日に各自に採点結果のコピーを返却し、模範解答を掲示する。

アクティブラーニング

毎回、各回のテーマに沿ったグループワークを実施し、全体討議を行う。 

テキスト

『子ども家庭支援の心理学』 青木紀久代編 みらい
『保育の心理学 第3版 子どもたちの輝く未来のために』 相良順子・村田カズ・大熊光穂・小泉左江子 著 ナカニシヤ出版

参考文献

『幼稚園教育要領解説』 文部科学省 フレーベル館
『幼保連携型認定こども園教育・保育要領解説』 内閣府・文部科学省・厚生労働省 フレーベル館
『保育所保育指針解説』 厚生労働省 フレーベル館
『保育のための教育心理学 第2版』 坂原明(編) おうふう
『エピソードで学ぶ 赤ちゃんの発達と子育て』 菅野幸恵・塚田みちる・岡本依子 著 新曜社
『図で理解する 発達 ―新しい発達心理学への招待―』 川島一夫・渡辺弥生 著 福村出版

実務経験の有無

備考

本科目は教職に関する科目のうち教育の基礎理論に関する科目、また、保育士養成における保育の対象理解に関する科目である。ピアヘルパー資格を取得するための要件単位でもある。

オフィスアワー

火・15:00~16:30

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