2024年度(令和6年度)講義概要―シラバス―

保育の心理学 (科目記号:EEK101)

寺川夫央

卒業/修了要件 授業形態 単位数 配当年次 開講期間
必修科目 講義 2単位 1年 前期

学位授与の方針との関連

2 専門的知識・技能、主体性、協働性
3 思考力、判断力、表現力、保育実践力

授業科目の目的・テーマ

1 「保育と心理学」のテーマでは、保育者として発達を学ぶ意義、子ども観、発達観について学ぶ。
2 「子どもの発達と環境」のテーマでは、初期経験の重要性、身体・運動・認知・情緒・自己・言語の発達について学ぶ。
3 「人との相互的かかわりと子どもの発達」のテーマでは、基本的信頼感、愛着形成、社会性・友達関係・遊びの発達について学ぶ。
4 「学びと発達」のテーマでは、記憶の発達、学習理論、やる気と環境について学ぶ。
5 それぞれのテーマから保育の対象となる子ども理解を深め、保育者として発達に即した援助や指導を考える。
6 授業でのグループワークや全体討議での他者とのかかわりの中で自己のよさを見出す。

授業修了時の到達目標

1 保育実践に関わる発達理論等の心理学的知識を踏まえ、発達を捉える視点について理解している。
2 子どもの心身の発達の過程及び特徴を理解している。
3 子どもの発達に関わる心理学の基礎を習得し、養護及び教育の一体性や発達に即した援助の基本となる子どもへの理解を深めている。
4 乳幼児期の子どもの学びの過程や特性について基礎的な知識を習得し、保育における人との相互的関わりや体験、環境の意義を理解している。
5 乳幼児期の子どもの発達を踏まえた学習を支える指導について、基本的な考え方を理解している。
6 グループワーク、全体討議等を通して、他者の意見を聞きつつ、自分の考えや学習したことを適切に表現できる。

授業内容の全体計画

第1回:「保育の心理学の学び方」本授業および時間外学習、グループワーク等学習者同士の学び合いについて説明を受け、学習への意欲を高める 
第2回:「保育と心理学(1)子どもの発達を学ぶのはなぜか」 保育者として発達を学ぶことの意義を考える  
第3回:「保育と心理学(2)子どもの見方、とらえ方(子ども観・発達観)」 歴史の中に見る子ども観、生物学的視点・発達の普遍性と領域固有性・文化差の視点からみた発達観、現代の子ども観と保育について学ぶ 
第4回:「子どもの発達と環境(1)発達をつくりだすもの」遺伝・成熟と環境・学習、相互作用説、初期経験の重要性について学ぶ
第5回:「子どもの発達と環境(2)からだの発達と運動機能―身体・運動発達」乳幼児期の発育段階、運動機能の発達、基本的生活習慣の自立について学ぶ 
第6回:「子どもの発達と環境(3)見ること・考えることの発達―認知発達」見ることから考えることへ、ピアジェの認知発達理論をもとに乳児、子どものの知的発達を学ぶ
第7回:「子どもの発達と環境(4)情緒の発達と自己の形成」乳幼児の情緒の発達、自己の形成、自己意識の確立について学ぶ
第8回:「子どもの発達と環境(5)ことばの発達―言語発達」ことばの準備期、話しことばの発達、書きことばと文字への関心、ことばの機能の発達的変化を学ぶ 
第9回:「人との相互的かかわりと子どもの発達(1)基本的信頼感の獲得」赤ちゃんの魅力、基本的信頼感、養育者との関係をもとにした愛着の形成と発達について学ぶ
第10回:「人との相互的かかわりと子どもの発達(2)子どもと養育者との関係を実践から学ぶ」今治市地域子育て支援拠点「子育てひろば」見学と実践から親子の関係性を具体的に学ぶ
第11回:「人との相互的かかわりと子どもの発達(3)人とのかかわり―社会性の発達」他者の気持ちの理解、心の理論、愛他行動の発達について学ぶ
第12回:「人との相互的かかわりと子どもの発達(4)友達関係と遊びの発達」友達関係の発達、子どもの遊び、ふざけ・いざこざ・けんかの意味を学ぶ
第13回:「学びと発達(1)記憶の発達」記憶の始まり、記憶の容量、知識と記憶、メタ記憶、幼児の記憶の特徴について学ぶ
第14回:「学びと発達(2)学びのしくみ―学習の過程、やる気と環境―欲求と動機づけ」学習、条件づけ、古典的条件づけ、オペラント条件づけ、観察学習(モデリング)、外発的動機づけと内発的動機づけ、自己効力感、やる気を育てる環境づくりについて学ぶ 
第15回:「発達援助と評価」発達援助の意義、保育実践の評価と心理学、保育のPDCAサイクルの概要を学ぶ
定期試験

授業時間外の学習(予習・復習等)

事前学修
時間外学修のための資料(冊子)を配布するので、授業に臨む前にテキストの該当箇所を参照しながら学習する(各回2.5時間)。
事後学修
事前学修の該当箇所について、授業時または事前事後に小テストを行うので、その見直しと再学習を行う(各回0.5時間)。
授業時の講義資料、グループワーク振り返り用紙、テキスト、時間外学修のための冊子等をもとにキーワード等を整理し、理解を深め、得た知識を活用し言葉や文章でまとめる(各回1時間)。

単位認定に関わる評価方法

筆記試験 70%(定期試験50% 授業時または事前事後小テスト20%)
提出物 10%(時間外学修のための資料(冊子)を定期試験後に提出する) 
講義・グループワーク等への参加姿勢・態度 20%(講義内での質疑応答、グループおよび全体討議での発言内容、授業時ワークシートの内容等) 

受講生に望むこと

心理学は誰にとっても身近な学問です。これまでに培った知識、経験をもとに用語や概念の理解を進めてほしいと思います。授業では、学生の皆さんが主体的に参加できるようにペアワーク、グループワークを取り入れますので自分が学んだこと、考えたことを言葉にし、相手に伝えるコミュニケーションスキルを高めてください。なお、グループワークなどで知りえた他者の情報の取り扱いには十分に留意しましょう。

フィードバックの方法

第2回~第15回のうち10回程度、事前学修の確認のための小テストを行い、直後に解答し、解説する(時間外学習として行う場合がある)。
毎回提出するコメントシート・ワークシート等に必要に応じて教員からのコメントを付す。
定期試験は成績手交日に各自に採点結果のコピーを返却する。必要に応じ、模範解答を提示する。

アクティブラーニング

毎回、各回のテーマに沿ったグループワークを実施し、全体討議を行う。他の科目と組み合わせ、今治市内の子育て支援拠点である「子育てひろば」への見学・実践を行う。 

テキスト

『保育の心理学 第3版 子どもたちの輝く未来のために』 相良順子・村田カズ・大熊光穂・小泉左江子 著 ナカニシヤ出版

参考文献

『幼稚園教育要領解説』 文部科学省 フレーベル館
『幼保連携型認定こども園教育・保育要領解説』 内閣府・文部科学省・厚生労働省 フレーベル館
『保育所保育指針解説』 厚生労働省 フレーベル館
『保育のための教育心理学 第2版』 坂原明(編) おうふう

実務経験の有無

備考

本科目は教職に関する科目のうち教育の基礎理論に関する科目、また、保育士養成における保育の対象理解に関する科目である。ピアヘルパー資格を取得するための要件単位でもある。
「子ども家庭支援の心理学」でも本テキストを使用する。小テストの実施、一部の資料配布や情報共有等で個人のスマートフォンまたはタブレット端末を使用する。

オフィスアワー

火・16:00~17:00

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