2024年度(令和6年度)講義概要―シラバス―

子ども家庭支援の心理学 (科目記号:EEK211)

寺川夫央

卒業/修了要件 授業形態 単位数 配当年次 開講期間
必修科目 講義 2単位 1年 後期

学位授与の方針との関連

2 専門的知識・技能、主体性、協働性
3 思考力、判断力、表現力、保育実践力

授業科目の目的・テーマ

1 「生涯発達」のテーマでは、生涯発達の視点から初期経験の重要性、各発達段階の発達課題等について学ぶ。
2 「家族・家庭の理解」のテーマでは、家庭・家族の意義や機能、親子関係・家族関係、親としての成長・発達について学ぶ。
3 「子育て家庭に関する現状と課題」のテーマでは、子育てを取り巻く社会的状況、ライフコースと仕事・子育て、多様な家庭等について学ぶ。
4 「子どもの精神保健とその課題」のテーマでは、子どもの心の健康に関わる問題、子どもの心を健康に保つための保育者の役割について学ぶ。

授業修了時の到達目標

1 生涯発達に関する心理学の基礎的な知識を習得している。
2 初期経験の重要性、発達課題等について理解している。
3 家族・家庭の意義や機能を理解している。
4 親子関係や家族関係等について発達的な観点から理解している。
5 子どもとその家庭を包括的に捉える視点を習得している。
6 子育て家庭をめぐる現代の社会的状況と課題について理解している。
7 子どもの精神保健とその課題について理解している。
8 データを適切に読み取り、それを踏まえて子育て環境の現状と課題について説明できる。
9 グループワーク、全体討議等を通して、他者の意見を聞きつつ、自分の考えや学習したことを適切に表現できる。

授業内容の全体計画

第1回:「生涯発達(1)発達段階と発達課題」胎児期 周産期 新生児期
第2回:「生涯発達(2)乳児期の発達の特徴と課題」初期経験の重要性
第3回:「生涯発達(3)幼児期の発達の特徴と課題」幼児期前期(1歳から3歳ごろ) 幼児期後期(4歳から6歳まで)
第4回:「生涯発達(4)児童期の発達の特徴と課題」9、10歳の節目 ギャングエイジ
第5回:「生涯発達(5)思春期・青年期の発達の特徴と課題」学童期後期から青年期にかけての発達 アイデンティティの確立
第6回:「生涯発達(6)成人期・老年期期の発達と課題」成人期前期 成人後期(中年期) 老年期 サクセスフル・エイジング 
第7回:「家族・家庭の理解(1)親子関係と家族関係の理解」家族・家庭の意義と機能 親子関係・家族関係の理解
第8回:「家族・家庭の理解(2)子育ての経験と親としての育ち」親としての成長・発達 子育てに伴う問題と支援
第9回:「子育て家庭に関する現状と課題(1)子育てを取り巻く社会的状況」少子高齢化社会 家族の変容 地域の変容
第10回:「子育て家庭に関する現状と課題(2)ライフコースと仕事・子育て」ライフコースの多様化 女性の就労 ワーク・ライフ・バランスの実現に向けての課題
第11回:「子育て家庭に関する現状と課題(3)多様な家庭とその理解」多様な家庭と子どもの育ち ひとり親家庭 貧困家庭 ステップファミリー 里親家庭 外国にルーツをもつ家庭 
第12回:「子育て家庭に関する現状と課題(4)特別な配慮を要する家庭 不適切な養育等が疑われる家庭」産後うつ病  育児不安 低出生体重児 子どもや保護者の病気や障害 マルトリートメント 児童虐待
第13回:「子どもの精神保健とその課題(1)子どもの生活・生育環境とその課題」あたたかな人間関係の重要性 生育環境の影響
第14回:「子どもの精神保健とその課題(2)子どもの心の健康に関わる問題」ことばの問題 くせ 行動の問題
第15回:「子どもの精神保健とその課題(3)子どもの心を健康に保つための保育者の役割」保育者という環境 保育者という仕事 子どもの心を健康に保つために
定期試験

授業時間外の学習(予習・復習等)

事前学修
時間外学修のための資料(冊子)を配布するので、授業に臨む前にテキストの該当箇所を参照しながら学習する(各回2.5時間)。
事後学修
事前学修の該当箇所について、授業時または事前事後に小テストを行うので、その見直しと再学習を行う(各回0.5時間)。
授業時の講義資料、グループワーク振り返り用紙、テキスト、時間外学修のための冊子等をもとにキーワード等を整理し、理解を深め、得た知識を活用し言葉や文章でまとめる(各回1時間)。

単位認定に関わる評価方法

筆記試験 70%(定期試験50% 授業時または事前事後小テスト20%)
提出物 10%(時間外学修のための資料(冊子)を定期試験後に提出する) 
講義・グループワーク等への参加姿勢・態度 20%(講義内での質疑応答、グループおよび全体討議での発言内容、授業時ワークシートの内容等) 

受講生に望むこと

これまでに培った知識、経験をもとに用語や概念の理解を進めてほしいと思います。授業では、学生の皆さんが主体的に参加できるようにペアワーク、グループワークを取り入れますので自分が学んだこと、考えたことを言葉にし、相手に伝えるコミュニケーションスキルを高めてください。なお、グループワークなどで知りえた他者の情報の取り扱いには十分に留意しましょう。

フィードバックの方法

第2回~第12回のうち7回程度、事前学修の確認のための小テストを行い、直後に解答し、解説する(時間外学習として行う場合がある)。
毎回提出するコメントシート・ワークシート等に必要に応じて教員からのコメントを付す。
定期試験は成績手交日に各自に採点結果のコピーを返却する。必要に応じ、模範解答を提示する。小テストは、直後に解答し、解説する。

アクティブラーニング

毎回、各回のテーマに沿ったグループワークを実施し、全体討議を行う。 

テキスト

『子ども家庭支援の心理学』 相良順子・小泉左江子 編 ナカニシヤ出版
『保育の心理学 第3版 子どもたちの輝く未来のために』 相良順子・村田カズ・大熊光穂・小泉左江子 編 ナカニシヤ出版

参考文献

『幼稚園教育要領解説』 文部科学省 フレーベル館
『幼保連携型認定こども園教育・保育要領解説』 内閣府・文部科学省・厚生労働省 フレーベル館
『保育所保育指針解説』 厚生労働省 フレーベル館
『保育のための教育心理学 第2版』 坂原明(編) おうふう

実務経験の有無

備考

本科目は教職に関する科目のうち教育の基礎理論に関する科目、また、保育士養成における保育の対象理解に関する科目である。ピアヘルパー資格を取得するための要件単位でもある。
小テストの実施、一部の資料配布や情報共有等で個人のスマートフォンまたはタブレット端末を使用する。

オフィスアワー

火・16:00~17:00

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